みんな大好き「揚げ物」について語ろう!

「揚げ物」ってみんな大好きですよね。唐揚げ、とんかつ、コロッケ、エビフライ…… 考えただけでお腹が鳴ったりよだれが出たりしませんか? このコラムでは、みんなが愛してやまない「揚げ物」について、歴史やうんちくを語っていきます。今夜、串揚げやとんかつを食べながら語れる、どうでもいい情報が満載です。

1・日本の揚げ物の起源

日本に「揚げ物」が伝わったのは8世紀から9世紀ころ、奈良・平安時代と言われています。しかし、この時は今のような「おかず」ではなく、米粉を練ってあげた「唐菓子」として紹介されました。

13世紀・鎌倉時代には精進料理として「揚げ物」が伝来しています。動物を食べないことを重んじる精進料理だからこそ、油分=タンパク質が摂取できる料理として重宝されたようです。

またこの頃には、油を生成する技術も発達していなかったため、油を大量に使う揚げ物を食べることそのものが難しいという背景があり、揚げ物のブレイクには至りませんでした。

室町時代にはポルトガルから天ぷらが伝わり、江戸時代には天ぷらが大流行して庶民の口にも入るようになります。天ぷらについては次の項目で詳しく解説しましょう。

日本の家庭で、おかずとして「揚げ物」を作ることが定着したのは明治時代中期と言われています。この頃になるとコロッケやカツレツが登場しますから、私たちが親しんでいる揚げ物文化が見られるようになったのは120年くらい前から、という事になります。

2・てんぷらの起源

「てんぷら」は現在では家庭でも広く親しまれていますが、非常に繊細な料理として、寿司と並ぶ日本食の代表的なものにも進化しています。

そのてんぷらを日本に伝えたのはポルトガルで、鉄砲伝来と同時期、室町時代の出来事です。語源はテンポーラ(temporas)というカトリックの季節行事で食べられたものから来ています。野菜や魚に小麦粉を付けて揚げたものだったようですが、その姿は現在日本で見られる天ぷらのようなものではありませんでした。この時点では天ぷらという名前の語源と、「油で揚げる」調理方法が伝わった、ということでしょう。

今の姿に近い天ぷらのもとになったのは、もう少し後で安土桃山時代に、やはりポルトガル人を通じて長崎に伝えられました。衣には水は使わず、小麦粉、酒、塩、砂糖、卵を混ぜることで、味もしっかりあったようです。

その後、屋台を中心とする外食文化が盛んになった江戸時代には、薄い衣で天つゆにつけて食べるスタイルになり、現在の姿にかなり近い物になっています。

しかしこの頃は食事というよりおやつ感覚だったようで、串に指した形で売られていたそうです。現代に例えればテイクアウトのファストフードといった位置づけで、さっと食べれるイケてる食べ物(江戸時代には粋(イキ)という言葉ですが)として大ブレイクしたようです。

3・シュークリームも揚げ物だった?!

ちなみに日本国内ばかりでなく世界にも目を向けてみましょう。

1600年代のイタリアでは、シュークリームも揚げ物だった、という記述が残されています。これは1604年に出された「料理入門」という本によるもので、鍋にたっぷりと溶かしたバターに入れて「網杓子で頻繁に返しながら生地にヒビが入るまで揚げる」と書かれています。

シュークリームを揚げることもびっくりですが、バターで揚げるというのもインパクトがありますね。

4・なぜ人類は揚げ物が好きなのか?

考えてみれば、人類はあらゆるものを揚げています。

肉や魚は言うまでもなく広く親しまれていますが、ポテトの薄切りを揚げればポテチになりますし、魚のすり身を揚げればさつま揚げ、豆腐を揚げれば厚揚げ、水と卵と小麦粉を混ぜて揚げればドーナッツです。

とある有名商品の開発者は天ぷらからヒントを得た即席ラーメンを作って大成功しています。さらに人類はフルーツやチョコレート、さらにはアイスクリームまで揚げてしまうほど揚げ物を愛しています。

なぜ人類はこれほど揚げ物を愛しているのか? それは脳内の仕組みに由来するとも言われています。

現在の文明社会に生きる人間であれば、「好み」、「気分」などで食事内容を選ぶこともできますが、生き物として「食」は生存のための必須条件です。高エネルギーの「油」は「生存」に有利なので、味覚ではなく、味覚に左右されない舌の奥にある「油脂受容体」というセンサーで検知するとも言われています。

つまり生き物には、油を含むものが口に入ると、味覚とは別に脳が喜ぶシステムが備えられているという訳です。言い換えれば、揚げ物を食べることは、「生きる」ための喜びを脳そのもので感じているということになります。

ちょっと難しい話になりましたが、からっと揚げた肉や野菜が美味しいのは説明の必要もない事実です。そんなわけですから、難しい話はやめて今日も美味しく揚げ物をいただきましょう。

5・「串揚げ 朔屋」は脂っこくない軽い仕上がりの串揚げを提供しています

福岡県春日市にある「串揚げ 朔屋」は、油と衣にこだわって、サクッと軽い仕上がりの串揚げを提供しています。肉や魚、野菜をシンプルに揚げるメニューもありますが、チーズを使ったり、食材をコラボした創作メニューを出したりと、さまざまな形でお客さまをおもてなし致します。アイスクリームの串揚げも人気の一品ですのでぜひお試しください。

串揚げが食べたい! そう思った時はぜひ当店で自慢の料理をご堪能ください。

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